70歳を迎え、8年間連れ添った夫を癌で見送りました。
残されたのは、かつては挨拶も家事もしなかった義娘との二人暮らし。
ところが夫が旅立ってからというもの、彼女の態度には驚くべき変化がありました。
夫の遺言通り家を義娘へ譲り、私は半年後に出ていく予定です。
行き先は、病気と闘う実の娘がいる関西方面。けれど、私は娘と同居するつもりはありません。
「子どもには老後のお金を渡さない」「適度な距離を保ち、身体が動く限り自分の力で生きる」。
波乱の人生と両親の失敗から学んだ、70歳からの心地よい暮らし方と覚悟について綴ります。

夫が逝って激変した義娘の姿
8年前に3回目の結婚をし、夫と夫の一人娘との3人暮らしが始まりました。
当時の義娘は家事を一切せず、挨拶もまともに交わさない、話しかけても無視されるのが日常茶飯事でした。
けれど今思えば、夫が何でも先回りして世話を焼き、娘に何もさせなかったのだと思います。
癌の闘病中であっても娘の世話を焼き続ける夫を見て、「これが夫の生き甲斐なのだ」と感じていました。
今年4月に夫が旅立ち、義娘と私の二人暮らしがスタートしました。すると驚いたことに、彼女は生前とは打って変わって家事を手伝い、とても明るくなったのです。
一番驚いたのは、私のためにケーキを買ってきてくれたことでした。
以前は自分のものしか買ってこず、夫が勝手に食べようものなら激しい剣幕で怒っていた彼女です(夫のものは平気で食べていたのに……)。
夫は文句を言われながらもどこか嬉しそうでしたが、最後まで「ありがとう」の言葉を聞くことはありませんでした。
「夫が生きていた頃に今の姿を見せてくれていたら、心労で体重が6kgも落ちることはなかったのに」と苦笑いしてしまう自分もいます。
今でも相変わらず「ありがとう」は言えない彼女ですが、ケーキの箱を見たときは胸がいっぱいになりました。
半年後の引っ越しと、実の娘との距離感
結婚当初から「夫の死後は家を出る」と決めており、遺言に従って家と土地の名義は義娘に変更しました。
私もそれを前提に断捨離を進め、遺品整理も半分ほど終わっています。義娘との生活も、あと半年ほどで一区切りです。
引っ越し先は、昨秋に躁うつ病を患った実の娘がいる大阪の近くです。娘はシングルマザーで、高校生の息子を育てています。
現在は片道3時間半ほどかかりますが、電車で1時間ほどで駆けつけられる距離に移る予定です。
ただし、娘と同居するつもりはありません。
いくら実の娘でも、いくら病気を抱えていても、四六時中一緒にいればお互いに息が詰まってしまいます。
お互いの自由と心の平穏を守るためには、適切な距離感が欠かせません。
両親の失敗から学んだ「子どもにお金を渡さない」覚悟
私は一人暮らしを続け、身体が動く限り働き、自分の収入で自立して暮らすつもりです。子どもに依存しない生き方を強く意識するのには、過去の苦い教訓があります。
約40年前、私の両親は弟(長男)に退職金をすべて渡してしまいました。
私たち姉妹は必死に止めましたが、泣きつかれた両親は甘さを捨てきれませんでした。 その結果、数年後に弟は借金を作り、その尻拭いをさせられたのは私たち姉妹でした。
大変な苦労を味わい、それ以来、弟とは絶縁して今どこで何をしているかも知りません。
この経験から、「親は絶対に老後のお金を子どもに渡してはならない」と骨の髄まで学びました。
老いては己の蓄えとプロに従う
先日、YouTubeで目にした「老いては己の蓄えとプロに従え」という言葉が深く心に響きました。
子どもに過度な期待や負担をかけず、自分の暮らしは自分で守る。それがお互いにとって一番の優しさだと感じています。
70歳、残された時間は自分の足で立ち、自分の人生を大切に歩んでいこうと思います。
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