今年70歳を迎えた私ですが、2年ほど前、ある日突然襲ってきた「謎の肩の激痛」にものすごく不安になった時期がありました。
朝方、目が覚めると右肩から二の腕、肘にかけてズキズキと激しい痛みが走り、腕がまったく上がらない。
「これって噂の五十肩?」と思いながらも、私の頭を真っ先によぎったのは数年前に旅立った夫のことでした。
夫も最初は「肩が痛い、五十肩かな」と言って受診し、結果的に見つかったのは咽頭がんだったのです。
その記憶があったため、「もしかして私も何か悪い病気では…」と心臓が冷たくなる思いでした。
ところが不思議なことに、起きて家事をしているうちに、1時間ほど経つとウソのように痛みがスッと消えてしまうのです。
日中はまったく何事もなかったかのように動かせるのに、翌朝になるとまた激痛で目が覚める……。
「消える痛みって何なの?」「やっぱり病院に行くべき?」 そんな毎朝の不安を抱えて整形外科に駆け込んだ結果、告げられた診断名が「肩関節周囲炎の夜間痛」でした。
今回は、私が経験した不思議な痛みの正体や、お医者さんに教わった就寝時の工夫、そして約3ヶ月で痛みが消えるまでのリアルな体験をお話しします。
同じように「朝だけ肩が痛くて不安」という方の参考になれば幸いです。

朝方だけ激痛、でも1時間で消える…?謎の症状に怯えた日々
朝方、ふと目を覚ますと、右肩に経験したことのない痛みが走りました。
「う〜〜痛い!」 右肩なのか、二の腕なのか、それとも腱鞘炎の出ている肘まで響いているのか……とにかく腕を少し動かそうとするだけで「痛っ!タタタ!」と声が出るほど。まったく腕が上がりません。
「これは絶対に病院に行かなきゃダメなやつだ」
そう覚悟を決めて起き上がり、朝の家事をこなしていた時のことです。 1時間ほど経った頃、ふと気がつきました。
「……あれ? 痛くない?」 さっきまでの激痛が嘘のように、何事もなく腕が動くのです。
ところが、恐怖は翌朝もやってきました。 目が覚めると、またしてもあの激痛。
「痛い〜〜!昨日とまったく同じや……」。
けれど、やはり起きて動き出して1時間ほど経つと、自然と痛みが引いていくのです。
「痛みが消えるって、一体何なんだろう?」
夫の時は、痛みが消えることはありませんでした。
私のように「時間が経つと痛みが引く」ということは、がんのような悪い病気ではないのかもしれない……そう自分に言い聞かせつつも、毎朝やってくる痛みに耐えかねて、ついに整形外科へ行くことにしました。
整形外科での診断結果は「骨に異常なし」
病院でレントゲンを撮ってもらったところ、先生からの言葉はこうでした。
「骨には異常ありませんね」
ほっと胸をなでおろしたのも束の間、ついた診断名は「肩関節周囲炎(いわゆる五十肩・四十肩)」、そして朝方に痛むのはその「夜間痛」という症状でした。
先生に「どうして朝だけこんなに痛いんですか? 原因は何でしょう?」と尋ねると、返ってきたのは、 「まず、加齢ですね」 という一言。
……あぁ、また出た、「加齢」! 70代になると、不調の理由のほとんどにこの言葉がついて回りますね(笑)。
先生曰く、寝ている間は肩の関節が冷えたり、同じ体勢で圧迫されて血流が悪くなったり、炎症が起きている部分に体重がかかることで、明け方に強い痛みが出やすいのだそうです。
起きて体を動かし始めると血行が良くなるため、1時間ほどで痛みが和らいでいたのでした。
先生に教わった「夜のセルフケア」と改善までの道のり
病院では湿布や薬だけでなく、日頃の過ごし方について具体的なアドバイスをいただきました。
- お風呂でしっかり肩を温めること シャワーだけで済ませず、湯船に浸かって肩まわりの筋肉と関節をじんわり温める。
- 痛いほうの肩を下にして寝ないこと 炎症が起きている側の肩に体重がかかると、夜間痛が悪化しやすいため避ける。
- 抱き枕やクッションを上手に使うこと 仰向けで寝る時は肘や手首の下に小さめのクッションを挟んで肩が後ろに引っ張られないようにしたり、横向き寝の時は抱き枕を抱えて肩の位置を安定させると楽になります。
診察室を出る時、先生が優しく「身体、労わってくださいね〜」と声をかけてくださったのが、不安だった心にじんわりと温かく染みました。
それから毎晩、お風呂で温まり、寝具やクッションの位置を工夫して寝るようにしました。
肩関節周囲炎は個人差が大きく、治るまでに1年以上かかる方もいれば、数ヶ月で落ち着く方もいるそうです。
私の場合は、アドバイスを守って体を労わっていたおかげか、およそ3ヶ月ほどであの朝の激痛がすっかり消えてくれました。あれ以来、あの嫌な痛みは一度も出ていません。
不安な痛みは、我慢せず一度病院へ
年齢を重ねると、体に次々と不思議なガタがやってきます。
「寝ている間だけ痛い」「朝だけ痛くて昼間はケロッとしている」という症状は、周囲にも説明しづらく、「気のせいかな?」「これくらいで病院に行っていいのかな」と迷ってしまいがちです。
でも、自己判断で「ただの五十肩だから」と放っておいたり、逆に「悪い病気かも」と一人で思い詰めてしまう前に、専門医にしっかり診てもらうことが一番の安心材料になります。
「自分の身体を労わるサイン」だと受け止めて、無理をせず、温めて、ゆっくり休ませてあげることの大切さを実感した出来事でした。
同じような痛みに悩んでいる方の不安が、少しでも軽くなりますように。
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