還暦を過ぎてから始めた、ホームセンターでのレジのお仕事。
私の働くお店は、なんと西日本一の広さを誇る5200坪!毎日たくさんのお客様が行き交い、さまざまなドラマが生まれます。
閉店時間の夜8時。片付けを始めるこの時間帯は、一日の中で少し特別な空気が流れます。
ある日の閉店間際、店内を焦った様子でキョロキョロと探す若いお父さんと出会いました。
また他の日には、遠い国からやってきたお客様との心温まるやり取りも……。
70代の私が、広大な売り場で経験した「閉店間際のちょっとほっこりするエピソード」と、私が大切にしている「ある秘密のメモ」についてお話しします。

5200坪の売り場で響いた「みっき〜!」
私の働くホームセンターは、とにかく広いんです。その広さ、なんと5200坪!(西日本で一番の広さなんですよ)。
閉店時間の夜8時を過ぎ、残業の片付けをしていた時のことです。 ふと見ると、若い男性が周りをキョロキョロと見回しながら、焦った様子で歩いていました。
「あの……どうされましたか?」
声をかけると、お父さんは困り果てた顔で言いました。
「あの……男の子見ませんでしたか?」
閉店後なので、周りにお客様の姿はありません。歩いて探すには広すぎるこのお店で、私は尋ねました。
「いいえ、この辺りでは見かけていませんが……ん〜、いつもなんて呼んでいますか?」 「みっきーです」 「じゃあ、大声で呼びましょう!」
「みっき〜!みっき〜!」と私が叫ぶと、お父さんも「ミッキー!ミッキー!」と一緒になって声を張り上げました。
静まりかえった広い店内に、私たちの声が響き渡ります。 すると……遠くの方から、
「は〜い!」
という元気な子供の声が聞こえてきました!
声のする方へ走っていくお父さん。無事に合流できた姿を見て、私もホッと一安心です。 男の子とお父さんは「ありがとうございました!」とニッコリ笑顔で手を振って帰っていかれました。
ネジを探すお客様と、パキスタンからの風と笑顔
また別の日、閉店間際にご来店されたお客様のことです。 お仕事で使う特殊な「ネジ」を探されているご様子。
ですが……レジ担当の私には、ネジの詳しい種類までは分かりません。
この時間は社員さんも少なくて困っていたところ、心強い大学生のバイトくんが一生懸命調べてくれました。
そこへ、接客を終えた社員さんも駆けつけてくれて、無事にお目当てのネジが見つかったようです。
お支払いのためにレジへ来られたそのお客様。会計が終わると、ふと私に尋ねました。
「今日は何時間働いているの?」 「今日は5時間ですよ」 「すごいね。私の国では、歳をとると誰も働かないよ」
「まぁ、そうなんですか!私はまだまだ元気に働きますよ。お国はどちらなんですか?」 「パキスタンだよ」
それを聞いて、私はあらかじめ準備していた“あの言葉”を思い出しました。
「じゃあ……シュクリア〜(ありがとう)ですね!」
そう言った瞬間、男性の顔がパッと華やぎました。
「お〜!シュクリア!ありがとうね!」
とても嬉しそうに、笑顔でお帰りになりました。
スマホのメモに詰まった「世界中のありがとう」
実は、このホームセンターにはたくさんの外国人のお客様が来られます。 私が外国語で「ありがとう」を言おうと思ったのには、あるきっかけがありました。
数年前、孫が生まれたときにアメリカのスーパーを訪れたときのことです。
現地の店員さんに「ありがとう」と日本語で声をかけられて、飛び上がるほど嬉しかったんです。 「私も、お店に来てくれる外国のお客様にあの嬉しさを味わってほしい!」 そう思ったのが始まりでした。
- ブラジル
- ドイツ
- インドネシア
- パキスタン
- スリランカ
- チリ
- ヨルダン
- ネパール……
もちろん、全部を一度に覚えるのは無理です(笑)。 だからスマホのメモ帳にこっそり国ごとの「ありがとう」を書き留めておいて、レジの合間に確認しているんです。
タイミングを見計らって伝えるのですが、特にスリランカの「ありがとう(ストゥーティ)」は発音が難しくて、何回言っても笑顔で笑われてしまいます。
でも、言葉が通じた瞬間のパッと明るくなるお客様の笑顔を見るのが、本当にたまらなく愛おしいのです。
年齢なんて関係なく、毎日新しい出会いや発見があるこの仕事。 やっぱり、接客って楽しいなぁ!
#シニアブログ#3回目の結婚日記#ホームセンターで働く


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