60代を過ぎてからの新しいお仕事探し。体力や人間関係など、不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
私も63歳で大型ホームセンターのレジ担当として働き始め、気がつけば勤続7年。
70歳の定年を迎え、現在はフルタイムからパート勤務へと働き方を変えながら、元気にレジに立ち続けています。
最初は足腰の痛みに泣きそうになりながらも、少しずつ体を慣らし、同僚たちと支え合いながら駆け抜けてきた7年間でした。
大型店舗のレジに立っていると、本当にさまざまなお客様との出会いがあります。クスッと笑える出来事から、思わず背筋が凍るような大ハプニングまで、日常はドラマの連続です。
今回は、シニア世代から始めるレジ仕事のちょっとしたコツと、私が今でも鮮明に覚えている「夏の駐車場で起きた忘れられない出来事」について綴ってみたいと思います。

60代から始めたレジの仕事。最初は「短時間」が続けるコツ
還暦を過ぎてから、大型ホームセンターで働き始めました。 店内のあちこちにあるレジを、時間割ごとに交代しながら担当するスタイルです。
始めたばかりの頃は、とにかく「立ちっぱなし」が体にこたえて本当にしんどかったです。「足が棒になる」とはまさにこのこと。
けれど、1年も経つと不思議なもので、体は少しずつ慣れてきました。
シニアからレジの仕事を始めるなら、最初は欲張らず「1日2〜3時間」くらいの短いシフトからスタートするのがおすすめです。
体が売り場のリズムや立ち仕事に慣れてから、少しずつ時間を延ばしていくのが長続きの秘訣だと実感しています。
フルタイム挑戦から70歳定年、そして再びパートへ
仕事に体が慣れてきた頃、私は思い切ってフルタイム勤務に変更しました。
理由は、年金の繰下げ受給をして受給額を少しでも増やしたかったこと、そして家で主人と顔を合わせる時間を少し減らして、自分の世界を持ちたかったからです。
とはいえ、フルタイムも最初は本当にしんどいものでした。 休憩1時間を入れて実働8時間。往復の通勤時間を含めると、拘束時間は9時間を超えます。
このペースに体が順応するのにも、やっぱり丸1年ほどかかりました。
それでも、休憩室で売り場担当の人たちとおしゃべりをしながら仲良くなれた時間は、とても楽しくて良い息抜きになりました。
そして今年で勤続7年目。70歳の節目を迎え、定年となりました。
今はフルタイムから再びパートへ戻り、勤務時間はちょうど半分に。ぐっと体が楽になり、心にもゆとりを持って仕事に向き合えています。
こうして長くレジに立っていると、本当にいろんなお客様に出会ってきました。
猛暑の駐車場で倒れたおじいさんと、社員さんの咄嗟の判断
特に強烈に覚えているのが、数年前のうだるような暑い夏の日のことです。
外の駐車場で、高齢のおじいさんが倒れて頭を打ってしまいました。
一緒にいたおばあちゃんは、突然の出来事にすっかりパニックになってアタフタ……。
異変に気づいて駆けつけた男性社員さんは、倒れているおじいさんを見るなり、咄嗟に自分の両手で傷口を強く押さえました。
救急車が到着するまでの十数分間、夏の照り返しが厳しいアスファルトの上で、社員さんはそのままの姿勢で傷口をずっと圧迫し続けたのです。
やがて救急車が到着し、ご夫婦は病院へと搬送されていきました。
救急車のサイレンが遠ざかった後、社員さんは額の汗を拭いながら、 「ここで15年働いてるけど、傷口を直接手で押さえたのは初めてだよ〜」 と、ホッとしたような、どっと疲れが出たような笑顔を見せていました。
後日、そのご夫婦がわざわざお店までお礼に来てくださいました。
おじいさんの頭には痛々しい包帯が巻かれていましたが、無事なお姿を見られて本当によかったです。
夏になると、広い店内や駐車場で熱中症になり運ばれるお客様が必ず何人かいらっしゃいます。そのたびに社員さんたちが広い敷地を駆け回ります。
バタバタと慌ただしい一日が終わり、夕方になってようやく落ち着いた頃。
空に広がる綺麗な夕焼けを見ると、まるで「今日もお疲れ様!」と声をかけてくれているような気がしたものです。
「車が見つからない!」赤い車を探して大捜索
夏になると思い出すエピソードがもう一つあります。
自分の車をどこに止めたか分からなくなってしまった、あるおばあちゃんのお話です。
「明日は我が身かもしれない」と思ったからこそ、今でも強く印象に残っています。
その日は外レジの担当だった私のところへ、困り果てた表情のおばあちゃんがやって来ました。
「いくら探しても、自分の車が見つからんのよ……」
広大なホームセンターの駐車場。歩き回るだけでも大変です。 私はレジ業務があるため、その場を離れて一緒に探すわけにはいきません。
(困ったな……そうだ、警備員さんにお願いしよう!) そう思って店内放送で応援を呼びました。
すると、放送を聞いて駆けつけてくれたのは、なんと店長、副店長、そして社員さんたち! 警備員さんにお願いするくらいの軽い気持ちで呼んでしまった私は、「えっ、こんな大ごとにしてしまった……!」と内心とても焦りました。
おばあちゃんに話を聞いてみると、車のナンバーは覚えておらず、車種の名前もあやふや。 手がかりはただ一つ、「赤い車」ということだけでした。
店長や社員さんたちが手分けして、広い駐車場をあちこち歩いて探してくれた結果……意外とすぐに見つかりました!やっぱり「赤い車」は遠くからでも目立ちますね。
ほっと胸をなで下ろすおばあちゃんの姿を見て、私も社員さんたちも笑顔になりました。
後から「こういう時は遠慮せず、最初から社員を呼んでいいんだよ」と言ってもらえてホッとしました。
まとめ:今日もお客様の日常と向き合いながら
今年もすでに、熱中症などで救急車が2回ほどお店にやって来ました。
猛暑が続く季節、ホームセンターのような広い敷地では、思いがけないトラブルが日常茶飯事です。
体力的には無理がきかないお年頃ですが、頼もしい仲間たちに囲まれ、いろいろなお客様のドラマに立ち会いながら働く日々は、私の元気の源でもあります。
熱中症にはくれぐれも気をつけて、今日も笑顔でレジに立ちたいと思います。私が運ばれては洒落になりません。
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