「合格したら、アメリカに連れて行くね」 娘と交わしたあの日の約束。1995年3月、公立高校への合格通知を手に、私たちは期待を胸に関西国際空港へと向かいました。
初めて降り立ったアメリカは、見るものすべてが規格外!ホテルの広さに驚き、映画の世界に興奮し、食べきれない料理の量に笑い転げた日々。そして旅のクライマックス、グランドキャニオンで目にした「世界一の絶景」は、多感な時期の娘たちの心に一生モノの感動を刻みました。
今回は、後の娘の人生を大きく変えることになった、31年前の忘れられないアメリカ旅行の記録を綴ります。
期待に胸を膨らませ、開港直後の関空から出発!
1995年3月。次女が無事に公立高校に合格し、我が家は歓喜に包まれました。約束通り、行き先はアメリカ・アリゾナ州のグランドキャニオンです。
前年に開港したばかりの関西国際空港。ピカピカのターミナルに「これから海外へ行くんだ!」と心躍らせながら、春休みで満席の機体に乗り込みました。
ロサンゼルスに到着してまず驚いたのは、その広さ!空港も、道路も、そしてホテルのバスルームまでもが我が家のリビングの倍ほどもあり、「これがアメリカか!」と圧倒される幕開けでした。
映画の世界が目の前に!興奮のハリウッド
泊まったホテルの目の前には、なんとあの名作映画『ダイ・ハード』の撮影舞台となったビルが。 「あの辺に警察官が隠れてたよね!」「あの植木、見覚えある!」 と、親子で大はしゃぎ。ディズニーランドやユニバーサルでは、ミッキーとの対面や『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の時計台やデロリアンに大感動。まさに「感動のるつぼ」の状態でした。
驚いたのは、レストランのメニューに写真がないこと!食材の名前から料理を想像するしかなく、運ばれてくる料理のサイズは、どれも笑ってしまうほどの特大ボリューム。文化の違いを肌で、そして胃袋で実感する毎日でした。

「世界一の景色」が教えてくれたこと
旅のメインイベント、グランドキャニオンへは小型飛行機で向かいました。窓の外には、3月だというのに真っ白な雪景色。
そして辿り着いた、グランドキャニオンの特等席。 「わあ……すごい……」 そう言ったきり、娘たちは言葉を失って景色に見惚れていました。雄大な断崖絶壁、計り知れない時の流れ。まさに世界一の絶景を前に、自分たちがちっぽけな存在に思えるほどの衝撃でした。
売店でニコニコと接客してくれたインディアンのおばあさん。笑顔が印象的。
娘たちは私の手をとって「お母さん、連れてきてくれて本当にありがとう!」と何度も何度も言ってくれました。その笑顔を見たとき、「本当に来てよかった」と心の底から思いました。
人生を変えた「最高の勘違い」
この旅で、一番の収穫だったかもしれない出来事があります。 娘がホテルのフロントで、友達への絵葉書を出しに行ったときのことです。ガイドブックを片手に、たどたどしいカタコトの英語で一生懸命に話しかける娘。
フロントの人は状況を察して、ニコニコと笑顔で対応してくれました。用件が済んで戻ってきた娘が放った一言。 「ママ、英語って簡単かも!」
それは、完璧な英語ではないけれど「心が通じた」という成功体験から生まれた、素敵な勘違いでした。この日を境に、英語が大の苦手だった娘は、英語が大好きになりました。
一歩踏み出して、本物の世界に触れること。 それがどれほど人の心を動かし、未来を変える力になるのか。30年以上経った今でも、あのグランドキャニオンの風と、娘たちの満面の笑みは鮮明に胸に残っています。

「日本食が食べたくなってスーパーに行ったけれど、味が違ってガッカリ(笑)」もありました。
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