「甲状腺のホルモン低下だろう」というお医者様の見立てから採血を受け、結果を待つこと4日間。
「これでやっと、あのひどいだるさやむくみ、とっさに出てこない言葉、そして急に薄くなった眉尻の原因がはっきりして、治療が始まるんだ」 そう安堵しながら再び内科の診察室に入った私に、先生から告げられたのは思いもよらない言葉でした。
「検査結果ですが……甲状腺ホルモンの数値は正常でした。低下症ではありませんね」
一瞬、頭の中が真っ白になりました。
大きな病気ではなかったという安心感よりも先に押し寄せてきたのは、「では、あの鉛を背負ったような重いだるさは一体何なの?」「どうして眉毛の端が抜けて、言葉が出てこなくなったの?」という行き場のない戸惑いでした。
出された血液検査の紙には、甲状腺以外の項目で少し高めの数値がいくつか。
そして、その後の先生との会話は、前回検査キットを申し込んだ、睡眠時無呼吸症候群が原因かも知れないということでした。事態はまったく別の方向へと動き出すことになったのです。
「検査結果に異常がないと言われたのに、どうしても体がしんどい」 そんな同じ悩みを抱える方に向けて、血液検査の結果のリアルと、そこから見えてきた「本当の原因の可能性」について、包み隠さず書き残しておきたいと思います。

診察室で告げられた「甲状腺ホルモンは正常」という結果
採血の結果を聞きに、再び内科へ足を運びました。
「症状から見てほぼ間違いないだろう」と言われていたため、薬の処方を受けるつもりでいた私の耳に届いたのは、意外な診断でした。
「甲状腺ホルモンの数値は問題ありません。低下症の数値ではないですね」
渡された検査結果表を見ると、確かに心配していた項目は基準値内。
先生からは「中性脂肪(184)と血糖値(139)が少し高めですが、今すぐ大きな問題になるレベルではありません」と説明を受けました。
ホッとしたはずなのに、心にはぽっかりと穴が空いたような感覚が残りました。
「気のせいではなかったはずなのに、原因がわからないままこのだるさと付き合い続けなければいけないの?」と、胸の奥がざわついたのを覚えています。
検査結果表にあった「BNP 52.8」とむくみの関係
検査表をよく見てみると、もう一つ気になる項目がありました。 それが「BNP(CLIA法) 52.8」という数値です。
BNPとは、心臓にどれくらい負担がかかっているかを示す数値なのだそうです。一般的には18.4以下が正常とされ、私の「52.8」は緊急の心不全というほどではないものの、軽度に上昇している状態(注意が必要なレベル)でした。
思い返せば、ここ最近の「手足や顔のむくみ」「朝から体が鉛のように重いだるさ」、そして半年前から感じていた「大好きなサウナが急にしんどくなった」という違和感。
甲状腺ではなくても、私の体(特に循環器や自律神経)は確実に無理をしていて、悲鳴を上げていたのだと気づかされました。
娘のひと言で急展開。「お母さん、寝てる時息してないよ」
原因がつかめず戸惑っていた私を救ってくれたのは、大阪で一緒に過ごしていた娘の何気ないひと言でした。
「お母さん、寝てるとき息が止まってるよ」
その言葉を先生に伝えて、検査キットを申し込んでました。
「もしかすると、だるさや頭がぼーっとする本当の原因は『睡眠時無呼吸症候群(SAS)』かもしれませんね。
今夜、ご自宅でできる検査をして下さい。」
睡眠中に息が止まる病気――太った男性がかかる病気という勝手なイメージを持っていた私にとって、それはまさに青天の霹靂でした。
すべての症状が「夜間の酸欠」で一本につながった
先生の話を聞き、調べていくうちに、今までバラバラだった症状がカチッとひとつの線でつながっていきました。
- 言葉がとっさに出ない・頭のモヤ: 夜間に何度も呼吸が止まることで脳が酸欠状態になり、睡眠不足と脳疲労を起こしていた(ブレインフォグ)。
- 朝からの強いだるさ: 本人は寝ているつもりでも、体は一晩中首を絞められながら走っているような状態だった。
- むくみ・BNPの上昇: 息が止まるたびに心臓へ強い圧力がかかり、血圧の急上昇と循環不全を繰り返していた。
ちなみに、最初に一番驚いた「眉尻の急な抜け毛」について先生に確認したところ、「無呼吸症候群の直接の症状ではないですね」とのこと。
ですが、毎晩の酸欠による肉体的な限界に、娘のサポートや生活の不安といった強烈な精神的ストレスが重なり、自律神経や血流が極度に乱れた結果、毛根にサインが出たのだと納得がいきました。
検査器具をつけて眠る夜。原因がわかることの希望
その日の夜、病院から貸し出された検査器具(指先のセンサーや鼻のチューブ)を装着して眠ることになりました。
最初に疑った病気とは違っていましたが、「私の体は怠けていたわけでも、ただ老化で衰えたわけでもなかったんだ」と分かったことで、心はとても軽くなりました。
原因さえ特定できれば、現代の医療にはきちんと改善するための治療法(CPAPなど)があります。
健診で「異常なし」と言われても、血液検査で病名がつかなくても、自分の体が感じている不調は決して嘘をつきません。
今夜の検査結果が出るのはまた少し先になりますが、一歩ずつ、確実に本当の元気を取り戻すための道を進んでいると感じています。
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