「去年と違うウツ」に振り回される日々|倒れそうな娘のために調べた自立支援医療

娘と孫

「去年と今年のうつは、何かが根本的に違う……」

大阪で一人、自営業を営む48歳の娘の姿を見守りながら、胸のざわつきが止まりませんでした。

昨年のうつ病は、眠れず、食べられず、手がブルブルと震えて怯えるような姿。

しかし今年の娘は、寝ても寝ても眠気が抜けず、気力も集中力も完全に底をついています。

主治医から告げられた診断は、「今回はうつ病ではなく、双極性障害(躁うつ病)のうつ状態」というものでした。

躁状態のときに引き起こしてしまった親友との絶縁、減っていく仕事の予約、そして迫り来る生活への不安。

自分の脳の波に振り回され、料理や日々の家事すら手が回らなくなった娘を前に、三重から通う私自身も体調を崩し、底なし沼に足を取られるような限界を感じていました。

「このままでは親子で共倒れになってしまう」

そう危機感を覚えたとき、私たちは医療費を抑える「自立支援医療」や、家事・食事を助けてくれる公的な支援の存在に目を向けることになりました。

同じように家族の精神疾患や生活の破綻に悩む方へ、現実の苦しさと支援への第一歩を記録として残します。

「去年と違う」違和感の正体は、双極性障害のうつだった

昨年の娘は、不眠と食欲不振、手の震えで怯えるような典型的な「うつ病」でした。

しかし今年は一変し、「いくら寝ても眠い」「何事にもやる気が出ない」という鉛のような倦怠感。

集中力が続かず、昨日まで過眠だったのに急に眠れなくなって睡眠薬を飲むなど、本人の意思とは関係なく脳の状態に振り回されています。

主治医の「うつの種類が違う。躁うつ病のうつ状態です」という言葉で腑に落ちたものの、自分のコントロールを失っていく娘の姿は見ていて痛々しいものでした。

躁状態の代償――親友との絶縁と、消えない後悔

この病気の残酷なところは、うつの辛さだけでなく、過去の「躁状態の行動」が人間関係を壊してしまう点です。

躁状態の勢いで親友へ一晩に100件もの悪態メールを送ってしまい、現在は絶縁状態。

「病気のせいだったと許してくれないだろうか」と親友に会う夢を3日続けて見る娘と、「あり得ない」と心を閉ざす親友。

病気の症状だったと頭では分かっていても、傷つけられた側の心の傷もまた深く、苦しさは言葉になりません。

客足が遠のく恐怖|自営業と精神疾患の過酷な現実

気配りと集中力が命である自営業において、うつ状態の集中力低下は致命的です。

いつものような心配りができず、次回の予約が取れなくなったり、後からキャンセルが入ったり。新規のお客様も来ず、ジリジリと売上が落ちて損益分岐点を割りそうな状況に追い込まれています。

持ち家も車もなく、換金できる資産もない。

「このままでは生活保護になるかもしれない」と頭を抱え、毎朝手が震え、部屋をウロウロしながら「行かなあかん……」と出かけていく娘の後ろ姿には胸が締め付けられます。

料理もできない娘と、三重へ戻らなければならない私の限界

一番の心配は、日々の暮らしが回っていないことです。

気力が湧かない娘は、まともに料理を作ることすらできません。

私自身も睡眠時無呼吸症候群による頭痛と倦怠感を抱えながら半月ほど大阪に滞在しましたが、もう体力の限界でした。

あと2日で三重の自宅へ戻らなければならない。後ろ髪を引かれる思いですが、親が倒れて共倒れになってしまっては元も子もありません。

そこで、「親の手」だけに頼るのではなく、公的な支援に頼る道を探し始めました。

孤立を防ぐために頼れる制度とサポート

一人暮らしで闘病する娘が生活を維持するために、今進めている・検討している支援策です。

  • 自立支援医療(精神通院医療)精神科の通院や投薬の窓口負担が原則3割から1割に軽減される制度です。世帯所得に応じた月ごとの自己負担上限額も設定されるため、売上が落ちて医療費が重荷になっている現在の娘にとって不可欠な支えになります。
  • 障害福祉サービス「居宅介護(家事援助)」料理や買い出し、掃除などの家事が困難な場合、ヘルパーが自宅を訪問して生活を支えてくれる公的サービスです。要件を満たせば所得に応じた負担上限で利用でき、日々の食事の破綻を防ぐことができます。
  • 精神科訪問看護看護師などが定期的に自宅を訪問し、服薬確認や日々の不安の傾聴、生活リズムの整え方を一緒に考えてくれる医療サービスです。自立支援医療を適用すれば1割負担で利用でき、一人で抱え込む孤立感を和らげてくれます。
  • 配食サービス(宅配弁当)の併用公的手続きが完了するまでの間の食事対策として、レンジで温めるだけの冷凍・冷蔵の宅配食などを取り入れ、「食事を作らなければならない」という日々の焦燥感を減らしていきます。

まずは次回の通院で、主治医やクリニックの相談窓口(精神保健福祉士)に日々の家事が立ち行かない現状を伝え、自立支援医療の診断書や各種手続きの相談から一歩ずつ進めていくつもりです。

親が遠方にいても、娘の周りに公的なセーフティネットをひとつずつ結んでいくこと。

それが、今の私にできる精一杯の支え方だと感じています。

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