【70歳からの部屋探し】夫の死、娘の病気。年金暮らしの私が大阪で「民間賃貸 vs UR」に悩む理由

3回目の結婚生活

62歳で決断した、3回目の結婚。

そのとき交わしたひとつの大きな約束――「夫が旅立ったら、家と土地は同居する夫の娘に譲り、私はこの家を出る」。

今年4月、8年間の結婚生活を共にした夫を見送りました。

そして今、私は長年暮らした家を離れ、新たな一歩を踏み出そうとしています。

向かう先は大阪。昨年10月に双極性障害(躁鬱病)を患った実の娘が暮らす街です。

高校生の息子を女手ひとつで育てる48歳の娘を近くで見守りたい。

けれど、お互いの人生とプライバシーを守るため、同居はしないと決めています。

8月から年金生活に入り、年齢は70歳。

フルタイムは無理でも、大好きなホームセンターの仕事をご縁のある店舗で週3日ほど続けながら、身の丈に合った穏やかな暮らしを築きたい――。

そんな私の希望条件は、「家賃5万円以内」「エレベーター付き」「70歳一人暮らしOK」「職場に通いやすいこと」。

いざ探し始めて直面した、シニアの民間賃貸の厳しい審査と、初期費用が魅力的なUR住宅の思わぬ落とし穴。

70歳、人生の再出発をかけたリアルな部屋探しの葛藤を綴ります。

夫との約束と、大阪へ向かう理由

62歳で3回目の結婚をしたとき、私たちはひとつの明確な約束をしていました。

「もし夫が亡くなったら、土地と家は同居している夫の娘の名義にする。私は家を出る。」

今年4月、夫が他界しました。8年間の夫婦生活でした。

悲しみの中でも、約束を果たす時が来たことを静かに受け止めています。

引っ越し先に選んだのは大阪です。

昨年10月、大阪に住む私の実の娘が双極性障害(躁鬱病)を患いました。

完治が難しい病気だからこそ、何かあれば駆けつけられる距離にいたい。それが母親としての本音でした。

ただし、一緒に暮らすつもりはありません。

数年前から「同居はしない」と伝えてありました。娘はもう48歳。自営業を営みながら、高校生の息子を育てるシングルマザーです。

お互いの生活ペースやプライバシーを守るためにも、つかず離れずの距離がベストだと考えています。

70歳、年金暮らしの仕事と住まいへの希望

今年8月から年金生活が始まりました。

70歳という年齢もあり、体力的にフルタイムでバリバリ働くのはもう難しいのが現実です。

ただ、今働いているホームセンターの仕事がとても好きで、自分に合っていると感じています。

できれば大阪でも同じ系列のチェーン店を見つけて、週に3日ほどパートとして働けたら……それが今の私の理想のライフスタイルです。

そこで掲げた部屋探しの条件は以下の4つ。

  • 家賃は管理費込みで5万円以内
  • 足腰への負担を考え、エレベーター付き(または1階)
  • 70歳の一人暮らしでも入居審査が通ること
  • 新しい職場(候補の店舗)へ通いやすい立地

利便性の高い駅近物件は家賃が高く、とても年金と少しのパート代では手が届きません。

そこで、少し郊外・田舎にある店舗の周辺に目を向け、実際に現地を見に行ってきました。

のんびりした郊外店舗と、学生街の民間アパート

訪れた店舗は、今のお店と比べると半分ほどの広さ。

レジの台数も少なく、スタッフもお客さんもまばらで、どこかほんわかとした温かい空気が流れていました。

「ここなら無理のないペースで、気持ちよく働けそう」と心が和みました。

ところが、問題はお店周辺の住まいです。

店舗のすぐ近くには手頃な賃貸住宅がほとんど見当たりません。

バスで4停留所ほど揺られたところに近鉄電車の駅があり、その周辺まで出ると賃貸物件がぐっと増えました。

多くはワンルームマンション。近くに大学があるため、学生向けの物件が主流だったのです。

  • 家賃相場: 郊外のワンルームということもあり、3万円台、中には2万円台の破格な部屋も。
  • 懸念点: 大家さんがいる民間の賃貸物件。70歳・年金暮らし・単身者という属性は、どうしても入居審査のハードルが高くなりがちです。

初期費用の安いUR住宅か、通いやすさの民間賃貸か

もうひとつの有力な選択肢として考えたのが「UR賃貸住宅」でした。

URには民間賃貸にはない大きな魅力がたくさんあります。

  • 礼金・仲介手数料・更新料・保証人(保証会社)がすべて不要
  • 初期費用は敷金(家賃2ヶ月分)と日割り家賃・共益費のみ
  • 敷地が広く、緑や公園に囲まれた落ち着いた住環境
  • 高齢者でも条件(貯蓄基準など)を満たせば公平に入居できる

シニアの一人暮らしにとって、保証人不要で更新料がない安心感は計り知れません。

しかし、候補となる大きな団地を調べてみると、痛烈なデメリットが判明しました。

最寄り駅からさらに電車で一駅離れた場所にあり、車を持たない私にとって命綱となるバスの本数が極端に少ないのです。

もしここに住んで、あの店舗へ通うとなると……時間帯によっては通勤に片道2時間近くかかってしまう計算になります。

週3日とはいえ、70歳の体に往復の長時間移動はあまりに過酷です。

公営・UR・民間賃貸の比較まとめ

頭の中を整理するために、候補となる住まいの特徴を書き出してみました。

比較項目公営住宅(府営・市営)UR賃貸住宅民間賃貸住宅(アパートなど)
家賃水準最も安い(収入に応じる)相場〜やや高めピンキリ(格安物件もあり)
初期費用敷金のみ(礼金・仲手なし)敷金のみ(礼金・仲手なし)敷金・礼金・仲介手数料・保証料など
更新料・保証人なし/原則不要なし/不要あり/保証会社必須
高齢者審査60歳以上単身枠あり貯蓄等の基準を満たせば公平大家さん・保証会社次第で厳しい
入居の流れ年数回の抽選が中心先着順(空きがあれば早い)先着順(即入居可能)
主な懸念点タイミングが合わない・階段物件もバス接続・通勤時間の長さ審査の壁・更新ごとの出費

あちらを立てればこちらが立たず…悩ましい選択

  • 民間の学生向けワンルーム: 職場へのアクセスは良好で家賃も安いが、高齢者審査の壁や初期費用の負担がある。
  • UR団地: 契約のハードルが低く初期費用も抑えられるが、通勤に時間がかかりすぎる。

どちらを選んでも一長一短があり、「あ〜〜悩む〜〜〜」と頭を抱える毎日です。

それでも、自分の力で選び、自分の足で新しい生活を組み立てていく感覚は、どこか前向きな挑戦のようにも思えています。

焦らず、公営住宅の募集情報なども視野に入れながら、納得のいく「私の新しい居場所」を見つけていきたいと思います。

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