「あの時、会いに行けばよかった」 そんな後悔を、人生の最後に残したくない。
そう強く思ったのは、今年4月、夫を見送った後のことでした。
10年前、関西に住んでいた私は、60歳という節目を迎えようとしていました。
名古屋で友人と会うために一人で泊まったビジネスホテルの最上階にある大浴場。そこで、一人の女性と出会いました。

「こんばんは」から始まった
何気ない一言から始まった会話は、不思議と弾みました。
普段なら見ず知らずの方に話すようなことではないのに、私はつい、発達障害を持つ孫のこと、そして誰にも言えなかった不安を打ち明けていたのです。
彼女は私の話を否定せず、ただ優しく励ましてくれました。
名刺をいただいたその日から、私たちの交流は年賀状を通して続いていきました。彼女の書く達筆な文字からは教養が溢れ、文章の節々には、どんな時も明るく前向きに生きる彼女の姿が浮かんでくるようでした。
「もっと彼女の生き方を知りたい」。ずっとそう思いながらも、家族の介護や日々の生活に追われ、時だけが過ぎていきました。
けれど、夫の死は私に「人生には限りがある」という事実を突きつけました。
「もう、やりたいことを先延ばしにするのはやめよう」 「彼女に会っておけばよかった、なんて後悔したくない」
そんな想いから連絡を取り、ついに東京での再会を果たしました。

78歳の彼女が教えてくれた、人生を輝かせる秘訣
会った瞬間、嬉しくて思わず涙が溢れ、私たちは抱き合いました。ランチをしながら聞く彼女の人生は、私の想像を遥かに超えるものでした。
3人の子育てと家業の支え、そして離婚。それでも営業職としてトップセールスを記録し、自分の力で家まで買ったというバイタリティ。
41歳で再婚してからの37年間、ネイルを楽しみ、お化粧をして、今もなおバリバリと仕事をする姿は、本当に眩しく、理想的でした。
そんな彼女が教えてくれた、人生を軽やかに生きる「コツ」があります。
それは、「心の中に溜まった感情を、紙に書き出して破り捨てること」。
何か嫌なことがあった時、良いことも悪いことも、感情のままにすべて紙に書き出す。
そして、それをビリビリに破る。気持ちがスッキリするまで、何枚でも、毎日でも書き破り続けたそうです。
「何枚破いたか分からないわよ」と笑う彼女の表情は、とても晴れやかでした。

「今」を大切に生きるということ
78歳になってもなお、美しく、強く、自分らしく生きる彼女に出会い、私はたくさんの勇気をもらいました。
年齢はただの数字であり、いつからでも自分を磨き、人生を謳歌することができるのだと、彼女が背中で教えてくれたからです。
私の人生の後半戦は、まだ始まったばかり。
これからは「やりたいこと」を我慢せず、「会いたい人」には迷わず会いに行く。そんなふうに、後悔ゼロの毎日を積み重ねていきたいと思っています。
皆さんも、もしずっと気になっている場所や、会いたい人がいるのなら、今すぐ一歩踏み出してみませんか?
その一歩が、きっとあなたの人生をより輝かせてくれるはずです。
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