築40年になる我が家。
夫が生きていた頃は、どこかへ出かけて玄関を開けると、いつもぷんとタバコの匂いが漂っていたものでした。
大阪に住む娘と会った時、マスクを忘れた娘に私がバッグから取り出して渡した個包装のマスク。
「タバコ臭いからいらんわ!」と言われてびっくりしたこともありました。密閉された個包装にまで染み付くなんて、長年の匂いというのは本当に侮れません。
そんな夫が旅立って、早いもので半年が過ぎました。
先日、大阪から帰ってきて玄関のドアを開けた瞬間……なんと、猛烈なカビの匂い!
タバコの煙という分厚いカーテンが消え去った我が家で、息を潜めていた「古い家の湿気」が一気に顔を出した瞬間でした。
慌てて和室の絨毯をめくってみると、そこには目を疑うような白い粉……。
「重いベッドはどうするの?」「膝も痛いし、一人では動かせない……!」と途方に暮れた私が、無理をせず安全にカビと匂いに立ち向かった数日間の記録をお話しします。
同じように古い家の匂いや畳のお手入れに悩んでいる方のヒントになれば嬉しいです。

玄関を開けたら「古い家の匂い」…タバコが消えて現れた正体
夫を見送って半年。ある日、数日ぶりに家を留守にして帰宅すると、玄関で待ち構えていたのは懐かしいタバコの匂いではなく、鼻をつく「ツンとしたカビ臭さ」でした。
築40年の木造住宅。長年染み付いていた強いタバコの煙が薄れたことで、床下や建材が抱え込んでいた湿気の匂いが前面に出てきたようです。
締め切っていた数日間に、一気に濃縮されてしまったのでした。
絨毯をめくって悲鳴!8年越しの真実
玄関まわりを風通ししても、どうしても気になる和室の空気。
ふと気になって、私がこの家に住み始めてからの8年間、ずっと畳の上に敷きっぱなしになっていた絨毯の端をそっとめくってみました。
すると……畳の表面に、うっすらと白っぽい粉のようなものがびっしり。
「あぁ、大変……白カビだ!」
畳は本来、呼吸をして湿気を吸ったり吐いたりするもの。その上に絨毯を敷き詰めてフタをしてしまっていたのですから、カビにとっては天国のような環境だったわけです。
ベッドは動かせない!膝の痛みと一人暮らしの知恵
何より頭を抱えたのは、その絨毯の上にドスンと鎮座している大きなベッドでした。
「これをどかして掃除しなきゃ……」と一瞬思いましたが、私の膝ではビクともしませんし、無理に持ち上げようとすれば大怪我につながります。夫ももう、手伝ってはくれません。
そこで、一人でできる「安全第一の応急作戦」に切り替えました。
- 直接しゃがまず、椅子に座る膝に負担をかけないよう低めの椅子に座り、手の届く範囲だけ作業します。
- 掃除機や水拭きは絶対にしないカビに水は大敵。掃除機も排気で胞子を部屋中に撒き散らしてしまいます。
- 消毒用エタノールでそっと拭き取るめくれる部分の絨毯と畳にドラッグストアで買った「消毒用エタノール」を吹きかけ、使い捨てのペーパーで優しく撫でるように拭き取りました。アルコールならすぐに乾いて湿気が残りません。
- ベッド下は無理に追わない奥のベッド下は誰か人手がある時に任せることにして、まずは扇風機の風をベッド下の隙間へ向けて送り込み、溜まった湿気をしっかり飛ばしました。
強い秋風と換気の力!帰宅したときの空気に変化が
そして今日。とても気持ちのいい秋晴れで、外では強い風がビュービューと音を立てて吹いていました。
「これはチャンス!」とばかりに、家の窓を端から端まで全開にし、靴箱の扉もすべてオープンにして、家じゅうに風を通しました。
夕方、窓を閉めて近所のコンビニへお買い物に。
歩いて戻り、カチャリと玄関の鍵を開けて足を踏み入れると……
「あれ? いつもより匂いがずっと薄くなっている!」
大阪から戻って4日目。「自分の鼻が慣れただけかしら?」とも思いましたが、外から帰ってきた瞬間の鼻は一番正直なはず。
カラッとした強風が、家の中にこもっていた湿気と匂いの粒をまるごと外へ連れ去ってくれたのだと実感しました。
無理のないペースで、家と付き合っていく
築40年の家。歳月を重ねた分だけ、手入れが必要なところもあちこち出てきます。
でも、重い家具を一人で抱え込む必要はありません。お天気のいい日に思い切り窓を開けて風を通したり、手の届くところだけアルコールで拭いたりするだけでも、家はちゃんと応えてくれます。
ベッド下の絨毯の本格的な撤去は、また次の機会に誰かの手を借りるとして、今日はおいしいお茶を飲んで、すっきりした空気をゆっくり味わおうと思います。
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