娘の引っ越しの日。
家族だけで抱え込むにはあまりに重く、不安で押しつぶされそうだったその日、朝早くから娘の友人たち4人が駆けつけてくれました。
娘が入院していた時期、毎朝当たり前のように孫のお弁当を作ってくれたお母さん仲間。
新居で迷いなく段ボールを開け、手際よく台所を整えてくれた昔からの友人。
そして、倒れてこないようにと知恵を絞り、本棚の耐震固定まで手掛けに来てくれたご夫婦。
双極性障害と診断されてから、朝には暗く沈んでいた娘の表情が、友人たちの笑い声に包まれるうちに、病気を感じさせない本来の柔らかな笑顔を取り戻していく姿がありました。
人の優しさに深く救われた一日の様子と、母として見つめた娘の今、そしてこれからの私の暮らしについて綴ります。

朝8時に駆けつけてくれた、あたたかい「お弁当の恩人」
引っ越し当日の朝8時。
まだ慌ただしさと緊張感が漂う中、孫の小・中学校時代の友達のお母さんが、美味しいパン屋さんのパンをたくさん持って駆けつけてくれました。
この方には、娘が入院していた頃からどれほど助けられてきたかわかりません。
「息子の弁当も作るから、1人分も2人分も一緒よ〜〜!」
そう言って笑いながら、ずっと孫の分のお弁当を作り続けてくれた優しい方です。その温かい言葉と気遣いに、これまでどれほど救われてきたことでしょう。
この日も、荷物が運び出されてだんだんと物が減っていく旧居の部屋を、隅々まですっきりと綺麗に掃除してくれました。
見えないところまで心を配り、黙々と手を動かしてくれる後ろ姿に、胸の奥がじんわりと熱くなりました。
新居で発揮されたプロ顔負けの連携!台所収納と本棚の耐震固定
新居側にも、心強い昔からの友人たちが待っていてくれました。
荷物が届くやいなや、手際よく段ボールを開封。
「とりあえず収納しとくな〜!」
そう言いながら、迷うことなく台所道具をあるべき場所へとどんどん収めていってくれます。引っ越し直後の途方に暮れるような片付けが、あっという間に片付いていく頼もしさといったらありません。
さらに頭を悩ませたのが、畳の部屋に置くことになった重たい本棚でした。
運送屋さんから「畳は凹んだりしやすいので、しっかり固定した方がいいですよ〜」とアドバイスをいただいたのですが、間取りから考えると……どうやら夜に私が布団を敷いて寝るのは、ちょうどその本棚の前あたりになりそうだったのです。
「これは大変!!万が一倒れてきたら危ない……!」
そう焦っていたところ、ご夫婦で手伝いに来てくれた友達がすぐに動いてくれました。
近くのホームセンターへ買い物に走り、突っ張り棒などの固定具を買ってきてくれたのです。
あの手この手で工夫を凝らし、しっかりと本棚を固定してくれました。
「これで南海トラフが来ても大丈夫やで〜〜」私たち家族だけでは、とてもそこまで手が回りませんでした。
久しぶりに見た「病気になる前の娘の笑顔」
みんな朝早くから夕方まで……貴重な日曜日を丸一日使って力を貸してくれて、本当に助かりました。心から感謝の気持ちでいっぱいです。
そして何より胸に迫ったのは、娘の表情の変化でした。
今朝の娘は、どこか表情がどんよりと曇り、重たい空気をまとっていました。 ところが、友人たちに囲まれて他愛のないおしゃべりをしている娘は、心から楽しそうに笑っていたのです。
それは、病気になる前の「普通の娘」そのものの姿でした。
「本当に双極性障害なんだろうか?」と疑いたくなるほど、自然で明るい笑顔。
娘には、こんなにも温かくて優しい友達がたくさん居てくれたんだ……。そう実感できたことが、親として何よりの救いであり、大きな安心となりました。
引っ越しを終えて見えてきた、私のこれからの暮らし
私はあと3日間こちらに滞在し、娘の通院にも一緒に行く予定です。娘が新しい生活へと無理なく踏み出せるよう、しっかり見届けたいと思います。
それにしても、引っ越しは本当に疲れました……!
でも、今回の引っ越しをやり遂げたことで、私自身の未来にもひとつの決意が生まれました。
実は私も、来年には引っ越しをして「一人暮らし」を始める予定です。もっと持ち物を減らそう!断捨離しよう!と思いました。
娘も新しい場所で一歩を踏み出し、私もまた自分の新しい暮らしへと歩んでいく。
周りのあたたかい手助けに心から感謝しながら、私も前を向いて、これからの準備を少しずつ進めていこうと思います。
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